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ジョザニ森林保護区

 タンザニア、ダルエスサラームの沖に浮ぶザンジバル島はアラブ風の町と美しい海で有名ですが、実は見るべきものはそれだけではありません。バスコ・ダ・ガマがやってきた頃には既に繁栄していた港町ですから、古い遺跡も点在しています。僕は遺跡も好きで世界中あちこちで見ていますが、ザンジバルにあるものは規模が小さいためか、ほとんど訪れる人も無く、訪れる手段もありません。

 ザンジバル島へのツアーはこちらをご覧ください。

ザンジバル・レッド・コロブスの島

 さて僕がザンジバルでぜひ見たかったもの、それは猿です。ザンジバルにはザンジバルアカコロブスという、ザンジバルだけに住む珍しい猿がいるのです。動物好きの僕としてはこれは見逃せません。この猿は以前紹介したアリューシャ・ナショナル・パークに住むシロクロコロブスに近い種類ですが、赤毛で少し小型です。ザンジバルもかつてはアフリカ大陸と地続きで、そのころ渡ってきた祖先から、独自の進化を遂げたようです。

ザンジバル・レッド・コロブス・モンキーの親子

 アカコロブスはザンジバル全域に分布しているそうですが、ここでも例によって人間との縄張り争いに負け、減少しています。確実に見られる場所は、ホテルから車で一時間弱の所にあるジョザニ森林保護区という所で、ここは猿だけでなく、わずかに残された学術的にも貴重な森林を、生態系ごと残す試みが行われています。

 さて猿は意外なことに保護区の外で見ます。森の中にもいるのですが見るのは困難で、森から出てきて人をあまり恐れなくなっている群には近づくことができるのです。でも無論手から餌をやったりはできません。

 猿は思っていたよりも小型で、西洋人が言う所の赤毛でした。元々樹上性の猿ですから、群は餌を求めて木から木へと飛び移ります。僕が見ている所から数メートルしか離れていないところを次から次にジャンプして行きます。でも子供を抱いた母猿だけは地面に降りてから移動して行きます。この群には約70頭いるそうですが、次々に目の前を通り過ぎていくのをうっとりと眺めていました。

 人里に出た猿の群は、やはり近所の作物を荒らすそうですが、保護林の入場料から地域の人達にも利益を還元し、地域住民と猿との共存を図っているそうです。

 日本ではサルの研究者は固体を識別するためによく名前を付けています。念のためにレインジャーに確めたところ、ここでは個々の猿には名前はついていないそうです。

 あまり時間が無く森林の中には30分位しかいられませんでした。地下水位が数十センチという立地に成立した珍しい森林です。落ち葉を踏みしめて歩いていると、足元で1センチほどの黒いものが跳ねます。コオロギかと思いましたが、よく見ると小さなカエルでした。そしてそのカエルを狙う、20センチほどしかない、小さな黒いヘビがいるのには驚きました。機会があればカメラ一式揃えて再度訪れたい、素敵な場所でした。


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